『A.PRESSE』ワードローブに一軍入りする服とは

2021年秋冬にデビューしたドメスティックブランド「A.PRESSE(アプレッセ)」をご紹介。

ブランドディレクターは、高い人気を誇る「DAIWA PIER39(ダイワピア39)」にも関わりの深い、重松一真氏。それもあり、A.PRESSEはデビュー前から非常に注目されていた。

A.PRESSEでは、どうせ買うなら良い服を、クローゼットの中で一軍となれる服を、といったコンセプトを元に、究極にシンプルで普遍的かつ上質なアイテムを展開している。

A.PRESSE（アプレッセ）とは、僕たちのワードローブに一軍入りできる服とは何かを考え、作ってしまおうというプロジェクト。

色々な服を買っても結局いつものお気に入りを着てしまうという悩みを僕は抱えている。だから僕のファッションはとても平凡で退屈なものだ。率直に言うとお気に入りの数を増やしたい。毎日着たいと思えるものが沢山欲しい。服への願望としてはただそれだけだ。

古着屋さんを覗けば高確率でずっと着続けられそうな服を見つける事ができるのだけれど、本当はそのビンテージに合わせる今モノの服が欲しいと思っている。まわりのカッコいい人たちはみんなそう、新しいものと古いものを上手にミックスして着ていて憧れる。

これだけモノが溢れ情報も沢山あるのに一軍入りするお気に入りを見つけられないのはなぜ？無駄な買い物にも疲れ果て、僕はその謎を解明すべく、モノも作れて発信もできる編集部を作ることに決めた。
via:公式インスタグラム@a.presse_

ブランドに色を付けたり、パーソナルなブランドにしない為に非公開にされているが、A.PRESSEには重松氏の他に2人のデザイナーがいる。“CLOTHING EDITORIAL DEPARTMENT”というテーマを掲げ、服を編集する編集部のようにああでもないこうでもないと服作りをされているようだ。

一般的なブランドは差別化を図るためにシーズンやコレクションを通して世界観等を表現していることが多いが、A.PRESSEでは“単品”の考え方を根本としており、ブランドのルックでもA.PRESSEのアイテムは各コーディネートにだいたい1点～2点しか使われておらず、他のアイテムは古着で構成されている。あくまで一点一点の完成度を追求したものづくりを徹底されているのが伝わってくる。

ディレクターの重松氏自身、「ブランドの強みは世界観のないこと」と仰っているように、A.PRESSEの服は余計な先入観を与えない、フラットなデザインのものが多い。服についているネームタグの小ささもここに繋がっており、将来的に古着屋や二次流通に流れた際にも匿名性を保てるという、重松氏自身が名前や人に影響されて服を買わないという背景があるそうだ。

非常にシンプルといえるA.PRESSEの服だが、生地や縫製、デザインソースに至るまで、服としての「作り」の部分にはこれ以上ないほどのこだわりが詰まっている。また、そもそもどうしてその服を作りたいと思ったのか、そういったストーリーまで大切にされており、全てのアイテムに元ネタがあるという拘りっぷりだ。