2021年のスタート以降、既にセレクトショップでも取り扱いが増えつつあり、注目を集めるファクトリーブランドKANEMASA(カネマサ)をご存じだろうか。
今回はその新進気鋭のブランド、KANEMASAをご紹介する。
KANEMASAの起源
KANEMASAは2021年春夏シーズンよりスタートしたファクトリーブランドで、和歌⼭県和歌⼭市に本社を有する丸編みニットメーカー「カネマサ莫大小」が母体になっている。
ファクトリーブランドって?
ファクトリーブランドとは、その名の通り工場(factory:ファクトリー)が企画、運営するブランドのことだ。
普段はデザイナーズブランドなどから受注した製造を行っている下請け企業(工場)がそのノウハウを生かして独自ブランドとして展開する。所謂中間マージンといわれるコストが削減されるがクオリティは変わらない為、コストパフォーマンスの高さもファクトリーブランドの魅力の一つだ。
カネマサ莫大小は1964年創業の老舗ニットメーカーだ。国内外のハイメゾンブランドに生地を提供している実績があり、また世界最⾼峰の素材展⽰会 France Parisの”Premiere Vision” 、Italy Milan”MilanoUnica”で、年2回、シーズン毎にニットコレクションを発表している。和歌山は丸編ニット生地生産国内1位を誇っているが、中でもカネマサ莫大小は世界トップクラスのニットメーカーと言えるだろう。
丸編みニットとは?
緯編みの1種である円型編み機で作る布・編み地を、丸編みと呼ぶ。丸編みには、ジャージーという呼び方もあり、過去日本ではメリヤスとも呼ばれていた。この丸編みをカット(切る)・アンド・ソーン(縫製)したものが、よく耳にするカットソーだ。意味は「布を裁断して縫製すること、そうして作った服」。現在でこそ慣れ親しんだものではあるが、カットソーは1着ずつ編んでつなげる伝統的なセーター類よりも、大量に作れ、ある意味で革新的な製造方法だった。
KANEMASAの特徴
上記の通りKANEMASAはニットメーカーが起源であり、ハイゲージニットに特化した独自の編み機をフルに活用している。
デザインとしてはベーシックでシンプルなアイテムをメインに展開しており、⾃⼰主張のためではなく、本質を⾒極める⼤⼈のための服を提案。本質的な部分で、良いモノ、美しいモノ、歴史ある普遍的なモノに価値を⾒出し、洗練されたニュースタンダードなスタイルをコンセプトにしています。
カットソーやスウェット類だけでなくシャツやパンツ、アウターまでもニットで構成されたアイテムはその見た目や表情だけでなく着心地も評価されるものになっている。
また特に妥協しない素材へのこだわりを強みにしており、原料から編⽴、染⾊、製品まで全てが、KANEMASAだけのオリジナルで、⽣地からインスパイアを受け、デザインが構築されている。これは以前記事にもしている人気ブランドCIOTAやAURALEEのコンセプトにも似たものを感じる。
まとめ
素材や縫製などのクオリティにこだわりを持つブランドやアイテムが流行を見せる昨今において、ブランドやその位置づけがある程度固まってきた市場にて、ハイゲージニットに特化したアプローチで注目されるKANEMASA。
地方セレクトショップや大手ではユナイテッドアローズなどで取り扱いされており、22SSから新規取り扱いを始めるショップも増えている。実際に手に取れる機会も今後増えそうだ。
一度着用すると忘れられないという声も多いその着心地に魅了されてみてはいかがだろうか。