今最も人気の高いファッションブランドはどこかと聞かれるとおそらく「DAIWA PIER39(ダイワピアサーティナイン 略:ダイワピア)」が候補の一つになるだろう。もちろんユニクロ等のように一般常識レベルで知られている訳ではないが、このダイワピア、2020年の誕生以降新作アイテムが発売されると瞬く間に全て完売してしまうほどの人気を見せている。
今回はアパレル不況が叫ばれるコロナ禍にありながら熱烈な支持を集めるブランドDAIWA PIER39をご紹介する。
DAIWA PIER39の始まり
DAIWA PIER39は、「大自然」と「都会をシームレスに繋ぐ架け橋」をコンセプトに2020年春夏から始動した。
DAIWA(ダイワ)のみを切り取ると聞き馴染みのある方も一定数いるだろう。ダイワピアは日本が世界に誇る釣り具業界の最大手、DAIWAが母体になっている。
そのフィッシング界の王であるDAIWAがアパレルの分野に関心を持ったタイミングで、セレクトショップ大手のBEAMS(ビームス)が他社ブランドをディレクションするビジネスに動き出しており、この二つの企業が交わったことでDAIWA PIER39が誕生した。ダイワピアのディレクションをBEAMSが行っていることは意外と知らなかった方も多いのではないだろうか。
ちなみにPIER39とはサンフランシスコのベイエリアにある港町だ。サンフランシスコは、過去より様々な人種が同居し、音楽、ファッション、食など充実した都市であるが、近年Apple本社やGoogle本社などのIT企業が本拠地とするシリコンバレーの発展や、コーヒー文化やオーガニックなど新しい食の発展にも積極的に向き合い、新たに世界に発信できるライフスタイルが構築された街でもある。そんな街の入り口でもあり、釣りの文化を発信しているこのPIER39がこのプロジェクトにぴったりだと名前に採用された。
メインディレクションは、現BEAMSメンズカジュアルディレクターの中田慎介氏が行っている。A.PRESSE(アプレッセ)デザイナーの重松一真氏もプロデュースやセールスに関わっているようだ。
DAIWA PIER39の特徴
先ほども記した通り「大自然」と「都会をシームレスに繋ぐ架け橋」をコンセプトとしているDAIWA PIER39。
元々は釣りをメインとしたアウトドアメーカーだけあって、GORE-TEX(ゴアテックス)を筆頭に化学繊維をメインとした機能性抜群なウェアを多く展開しており、まさに「大自然」の中でも活躍するようなアイテムが多い。
もちろん素材だけでなく裁断も立体的なパターンで動きやすさを高めていたり風雨に耐え得るようにダブルフロント仕様にしていたりといったところから、実際にフィッシングシーンで活用できるルアーケースやタックルケースが入るようにデザインされたインナーポケットなど細部にまでこだわりが詰まっている。
そして機能性ウェアの頂点としてのミリタリーテイストを基調としながらも、リラックス感のあるシルエットや色使い、やりすぎない無骨さによって、どこか都会的なクリーンさも感じさせるデザインになっている。
釣り用品としてデザインされているわけではなく、あくまで街着、日常に視点を置いたファッションアイテムとしてデザインされながら、フィッシングに耐えられる機能性を付加する、そんな提案を行っている。
また別の視点から挙げられる特徴としてその価格帯があると思う。単純に生地量が増えるリラックス感のあるシルエット、かつGORE-TEXのような機能素材を用いていることなどを踏まえ、国内のブランドの相場を考えると、比較的手ごろな価格設定になっているように感じる。複数のポケットやギミックがあることでその分コストがかかり価格も割増しになるのが常ではあるが、ダイワピアのアイテムはその内容に対して高すぎると思わせることは少ないだろう。そのコストパフォーマンスの高さもこのブランドの魅力だ。
まとめ
近年ファッション業界でもトレンドになっていたスポーティなスタイルやアウトドアといった流れをいち早く汲み取り、卓越したブランディングで今最も熱があるといっても過言ではないブランドまで成長しているDAIWA PIER39。
5シーズン目を迎える2022春夏のコレクションでもその人気ぶりは目を見張るほどで、即日完売のアイテムも多数。
二次流通市場が発達した現代ではどうしても転売にも繋がるのが人気ブランドの性であり、実際のところ所謂プレ値で転売されているアイテムも存在する。
なかなか手に入れるのが難しいアイテムも多いが、ここ近年のブランドの中では稀に見る人気ぶりでもあるので今後の動向含めて長い目で見ていきたいブランドだ。
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