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『MAATEE&SONS』大の大人が大真面目に提案する“良い服”

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服好きを唸らせると話題のブランド「MAATEE&SONS(マーティーアンドサンズ)」。2019年秋冬シーズンに設立された新しいブランドではありますが、瞬く間に人気を獲得している。

かなり感度の高いショップでの取り扱いが目立ちますが、アイテムによっては入手困難なほどの人気ぶりです。今回はそのMAATEE&SONSにフォーカスしていく。

via:HUUKU
Contents

MAATEE&SONSとは

MAATEE&SONSは、「大の大人が大真面目に良い服を提案する」をコンセプトに、縫製・パターン・ニュアンスの研究と追及を重ねることで、「普通なようで普通でない、真に愛着が持てる日常着」を提案している。

ブランドのタグに記されたデザイナーの気合い

少しユーモアも含んでいそうですが、ブランドタグには“FOR THE MAN WHO KNOWS”(分かっている男の為の)という表記がある。それほどこだわりを詰め込んだという自信の現れでもあるのではないだろうか。

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デザイナーを務めるのは松村大基さん。青山学院大学を卒業後、大手服飾店勤務を経て渡米。ニューヨークのFashion Institute of Technologyを卒業したのちに、2010年秋冬シーズンから8年間ニューヨークにて設立したブランド「tim.(ティム)」を展開されていた。同ブランドはファーストシーズンよりアメリカ・バーニーズニューヨークやオープニングセレモニーで商品が取り扱われ、海外でも高い評価を受けていたが、2018年秋冬シーズンでtim.は休止し、2019年にMAATEE&SONSを立ち上げられた。

ブランド名は、デザイナー松村大基さんのお祖父様が経営されていた呉服屋「松貞呉服店」から文字った「松貞(まつてい)→マーテー」と松村氏自身のブランドデビューの地ニューヨークでポピュラーな名前「マーティー」を重ねた「MAATEE」と、新たな形で受け継ぐことを意味する「& SONS」を掛け合わせている。「先祖代々に伝わる伝統的な服飾史への敬意と、それらを新たな形で受け継ぎたい」という熱い想いが反映されている。

松村さんのコレクションは「クリエイションの幅広さ」が魅力のひとつだが、その原点は少年時代にさかのぼる。呉服店を営む祖父や父の影響を受け、幼いころから歴史的資料と言われるようなブランドや洋服に囲まれた環境で育った。幼少期から培われた伝統や文化への見識は、作品作りにも強く反映されている。「伝統的なテーラリングを大切にし、基本を抑えた上で見せる生きた遊び心」は、洋服好きの「感覚に訴えかけてくる何か」であり、他ブランドと一線を画すMAATEE&SONS最大の特徴と言える。

定番・人気アイテム

MAATEE&SONSは、カラー等少しずつディティールを変更しつつも定番ともいえる形で毎シーズン展開しているアイテムがある。ここからはその一部をご紹介しよう。

REGULAR COLLAR ELIZABETH

via:_COMES THE SUN

「ドレスシャツをカジュアルに」というコンセプトで毎シーズン様々な生地で展開されている同ブランド定番のレギュラーカラーシャツ。パツンとしたハリ感が特徴のポプリン生地(ドレスシャツに用いられる代表的な素材)を使用しており見た目は上品に、着心地は滑らかな仕上がり。清潔感のあるフレンチフロント(シャツの前端を内側に折った欧風なクラシックスタイル)、スプリットヨーク(シャツの方から背中に当たる部分を2枚の生地で成形することで美しいバックスタイルを演出)など仕立てはあくまでも「ドレスシャツ」を軸とした設計でありながらも、身頃や袖周りのサイズ感でリラックス感を演出している。絶妙なバランス感でカジュアルダウンさせた大人の日常使いに相応しいドレスシャツと言える。

俺のCHINO-PAN

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MAATEE&SONSの定番チノトラウザー 通称“俺チノ”。チノパンという普遍性の高いアイテムをベースに、ブランド独自の解釈を加えたモデルだ。毛羽が少なく上品でサラッとした肌触りと二重織が生み出す綺麗なドレープが特徴の強撚二重織のコットン素材を使用し、シルエットはツータックで腰回りにゆとりをもたせたワイドテーパード。細部のデザインはヒップポケットは片玉縁で、スラックスとしての印象は保ちつつ、左右を少し離すことでカジュアルな雰囲気になっている。前立てはボタンフライで、中は半裏の仕様。通常イメージされるコットンチノとは異なるスラックス感覚の1本だ。

COVER ALL JK

via:_COMES THE SUN

所謂「大戦モデル」と呼ばれる、1940年代の2ポケット型アメリカンカバーオールをデザインソースに製作した”COVER ALL JK(カバーオールジャケット)”。ただし肩周りと狭い胸幅、後身に持たせた分量など特徴的なパターンは、古くからあるフランスのジャケットを参考に作り込み。MAATEEが放つカバーオールは、いわば米仏日の合作。大戦モデルらしい簡素なドーナツボタン使いやステッチワークなど、当時のディテールを再現しつつも、どこかエレガントな雰囲気が漂う仕上がりだ。また、立体的なパターンが着用時の躍動的なシルエットを生んでくれる。22AWシーズンからはそれ以前に使用していた13.5ozデニムから12ozデニムにマテリアルを変更。当時のオリジナルモデルに近いオンスは、より通年着用しやすくなったといえる。MAATEEのお家芸ともいえる強撚加工により、インポートブランドのデニムを彷彿とさせるカリッとした質感に仕上がっている。また、各部のステッチも緯糸に茶綿を使用することで、ヴィンテージライクな深みのある風合いに。細かな点に至るまで余念がない。

アメリカのコーンミルズ社やバーリントン社など、かつてデニムは輸入された生地を使用するのが当然だった。しかし、1970年代初頭に日本でもデニムを生産しようという動きが強まる。アメリカ産のデニムをターゲットに糸・染め・織りを研究し、ある生地が出来上がった。本品には、そんなかつてとまるっきり同じ背景で生産されたデニム生地を使用している。米国産のコットン、自然な風合いのムラ糸、ピュアインディゴによる染めにこだわり、毛焼きを施していないノーサンフォライズド状態につき、水を通して生地が縮むことで身体にフィットしてくれる。ヴィンテージデニムのような付き合い方は面倒だが、故に愛着も沸くことだろう。

どのアイテムも、研究と追求を重ねたデザインや素材、シルエットに裏打ちされた確かな雰囲気を備えている。こうしたマーティー独自の味が、ファッションをこよなく愛する玄人たちの心を引き付けて離さない所以ではないだろうか。まさに服好きによる服好きのためのブランドだ。


公式インスタグラムではデザイナー本人によってアイテム一つ一つのこだわりが綴られている。まさに服好きに刺さるような非常に面白いコメントが多く、一度実際に手にしてみたくなることは間違いないだろう。

公式インスタグラム

https://www.instagram.com/maatee_and_sons/

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