「1000点満点中990点のスニーカー。」
これはNEW BALANCE(ニューバランス)が990番台最初のモデルM990販売時に謳った広告の1文だ。1982年にMade in U.S.A.モデルとして発売されたM990は、コスト度外視で当時で最高の技術を投入して完成した。以後アップデートされて現在まで発売されている990シリーズ13品番の内、本記事ではリリース順で前半の6品番を解説する。
990番台後半の7品番はこちら。
M990(1982年)
990シリーズの初代モデルとなるM990。100ドルという当時では超高級(平均的なスニーカーの約3~4倍)の価格設定で発売されたモデルであったが、価格に見合うハイスペックな履き心地と耐久性を評価され、半年で5万足のセールスを記録したそうだ。
M995(1986年)
M995は高機能なランニングシューズとしてだけでなく、ステータスシンボルとして富裕層やエグゼクティブに支持されていた。ビブラムソールを使用しているのも本モデルの特徴だ。2016年に30年ぶりに復刻したが、990同様アメリカ製であるため現在は入手が難しい1足だ。
M996(1988年)
ニューバランスを代表する不動の人気モデルのM996。同じ年代に発売され、現在ではMade in U.K.でおなじみの576よりも細身のラストを使用し、カジュアルかつ、どこか上品にも見せてくれる品番としても定評がある。クラシックなルックスが持ち味で、定番のネイビーカラーは特にユーザーも多いモデルだ。
M997(1991年)
人気モデルM1500と同様の革新的な一体成型ミッドソールが採用され話題を呼んだモデル。前身のモデルよりもハイテク感のあるデザインに進化。Nロゴの小型化が始まり、現在もレトロとハイテクのバランスがよいスニーカーとしてコアなファンからも愛されている。
M998(1993年)
ニューバランスが開発した当時の最先端テクノロジー、ABZORB(アブゾーブ)を初めて採用したモデル。衝撃吸収性と足入れ感のよさで大好評を博した。アッパーはレトロ寄りのデザインになっている。
M999(1996年)
圧縮PUとアブソーブの厚みのある3Dミッドソールが印象的なモデル。90年代中期らしいモダンクラシックなルックスで、トゥのメッシュ部分が広くなっているのも特徴だ。2016年に20周年を迎え、MADE IN U.S.Aで完全復刻された。